奈良県ヘリテージマネージャーのスキルアップ講座で西村邸にお伺いしました。
2019年秋に改修工事が終わったので、そろそろ4年半になります。
西村邸は細長い敷地の中に建物が5棟と4つの庭、渡り廊下のある町家らしい佇まいです。
民泊と喫茶店をされており、喫茶室からの庭の眺めがとても風情があります。奥は茶室棟です。
喫茶室の白い壁は砂漆喰で仕上げています。
この日は主屋の中の間と奥の間のニ部屋に17名が集いました。
文化財建造物活用の講義のあと、課題として西村邸の改修利活用案の意見出しをしました。(既に改修利活用されていますが。)
グループに分かれて話し合い中。
課題の前に設計担当者として元の建物の概要を説明しました。実際の改修では、別棟を喫茶スペースにし、主屋の通り庭の壁を一間ほど解放して喫茶室の入口を設けています。
この部分は元は壁でした。
別棟ですのでそれぞれの建物の柱が二重に建っており、奥行きのある入口になっています。
完成から4年半が経ち、土壁(中塗り仕上げ)はさびも出てきており、均一ではない自然な表情になっています。参加者の方が土壁の経年変化の具合がとても良いとおっしゃっていました。
塗りたての時にはどのように変化するか分からないのですが、その場の環境に応じて良い具合に変化するのが自然の材料の魅力です。
民家などの古い建物を改修するときには、調合された塗り材は使わず土壁や砂漆喰で仕上げています。