伝統的な民家の座敷側縁側の外には、植栽や石で作り込まれた前栽(お庭)があります。おもてなしの風景の庭ですが、開放された室内からは季節や自然の情緒を感じる日々の風景で、家屋と庭が一体になっていることを感じます。

以前に改修させて頂いた天理の家の前栽。長い縁側の前は全面前栽として整えられており、座敷の襖や障子を開けると室内から庭全体を見渡すことが出来ます。

こちらは利兵衛の家の座敷側の前栽。こちらもさまざまな樹木と石で景色が整えられており、縁側のところまで池が作られています。

こちらのように縁の下あたりまで池が作られているところも時々拝見します。
庭の作り手は、座敷から見る景色も考えて庭を作ったことでしょう。
庭師さんと話をしていると、木には向きがあり、石にも顔(正面にする面)があると言われます。少しのことで趣も変わることでしょう。また、樹木は成長して樹形も当初から変わるので、剪定も含めて配慮されています。
石は動きませんので石の配置はとても重要だそうです。

こちらは京都の懐石料理の瓢樹さんのお庭。
建物は大正3年に京都画壇の今尾景年の邸宅として建てられたもので、登録文化財に指定されています。(久保家住宅・旧今尾景年邸)
和風建築には和風のお庭がよく似合いますね。当たり前のようにある前栽ですが、無くてはならないものであり想像以上の存在感です。
お庭を眺めながらお昼を頂きました。お席は座敷に椅子席になっています。

お伺いしたのは5年以上前のことで、2021年に移転されたとのことです。
現在この建物は麓寿庵と言う甘味処のお店になっていて、スイーツの他、お食事も出来るようです。
京都の街中で建物もお庭も大変立派でまた訪れたいです。