最近は住宅の改修設計の依頼を頂くことが増えてきました。数年前からは以前にはなかった改修の補助制度も増えてきています。近年のリノベーションの増加傾向は日本だけのことでなく、海外のさまざまな事例を見聞きする機会も増えてきました。そもそも日本はスクラップ&ビルドの考え方ですので住宅の平均寿命は他国と比べてとても短くおおよそ30数年とのこと。(アメリカで55年、イギリスは77年。)我々の親の世代の時代は「一生のうち3回家を建てると満足いく家が建てれる」と言われていたので日本の住宅が短寿命なのも理解できます。その前の時代は地方では家を建てたら三世代以上は住み継ぐという考え方でしたので、社会全体の就業形態の変化や新築をすることによる経済効果も含めて家づくりの考え方が大きく変わったのだと思います。
設計事務所への依頼としては性能の向上だけでなく間取りの変更も含めて依頼されることが多いです。
建築基準法では主要構造部の過半の改修は確認申請をしなければならない、となっています。(主要構造部とは、構造上重要である壁、柱、床、梁、屋根、階段のこと。)ただし法第6条の四号もの(第4号)の建築物(一般的な200㎡以下、2階建て以下の木造住宅等)については特例があり、現在は確認申請をする必要がありません。
ところが来年2025年4月1日に法改正が実施され、4号建築物の特例が縮小されることになりました。
少し前まではまだはっきりとした審査基準が出ていなかったのですが、具体化されてきました。

階段の主要部分の改修
・階段の「過半に至らない範囲」の改修や、既存の踏面の上に新しい仕上げ材をかぶせる場合は確認申請は不要。左の「過半に至らない範囲をやり替える改修」の図は、なかなか無いパターンです。階段の過半にはどのような意味があるのでしょうか。
・階段の構造そのものを変更するような改修、例えば踏面の交換や段数の変更、位置変更などが含まれる場合は申請が必要。階段は避難経路としての役割も担っているため、安全性が確保されているかどうかの確認が求めらるとのことです。
過去にも階段の位置を変えたり、階段の勾配を緩くして架け替えるなどの改修をしてきましたが、それらも今後は確認申請が必要になる工事になります。

床の改修
・床は仕上げのみの改修であれば問題なく、根太工法の床を根太レス工法(剛床工法)に変更するなど、構造の変更に関わる改修が過半を超える場合は確認申請が必要になるようです。
事例の図(確認申請不要の事例)は仕上げの薄い部分のみが改修範囲となっていますが、ボンドで下地合板にバリバリに接着している場合も多く、そのような場合は仕上材だけを剥がすことが出来ないので下地合板も含めての改修でも問題ないように思います。また、根太にもボンドで下地合板を接着していることもありますので、その場合はどうなるのか。着工(解体)前に確認申請を出すのが基本ですが融通がどこまで効くかはわかりません。(「実情に応じて判断すること」というのはそのようなこも含めてとのように読めます。)
また、例えば接道していないなどの建築基準法違反の建物の場合でも、大規模の修繕及び模様替えの確認申請は必要になるそうです。

なお、平屋で200㎡以下の建物に関しては、従来通り確認申請の必要は無いとのことです。(特例の縮小の意味は、確認申請不要の特例が残る建物もあるということだと思います。)
※現在の4号建築物は改正後は新2号建築物と新3号建築物に分けられて名称が変更されます。
来年の4月1日が法施行日になりますので、法改正後の基準が適応されるのは4月1日以降となり、3月末までに着工した建物に関しては完成が4月1日以降になっても現行法の基準で問題ないようです。
今後、住宅のリフォーム(大規模修繕・模様替え)の確認申請が増えることと思います。主要構造部の過半を超える改修ではないと判断して確認申請を出さず結果的に確認が必要だったということが無いよう、情報を集めなければなりません。
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画像は全て国交省HPより