5月31日に奈良をつなぐ家づくりの会恒例の吉野の森見学バスツアーを開催しました。2013年にツアーを始めてから今回で26回目になります。
天気予報ではこの日は雨の予報でしたが、幸い雨にも遭わず見学することが出来ました。

今回のツアーは午前午後とも川上村の林業地を見学させて頂きました。案内は川上村で山守をされている玉井さんです。いつも大変お世話になっています。

70数年生の林地。高さ30メートル級の杉の木。幹は通直に伸び、枝葉は日の当たる上の方にだけあります。吉野林業の木の育て方について話をお聞きしました。

次は玉井さんが施業をされている山に入って行きました。吉野は他の林業地と比べると斜面が急勾配で、日本一急峻とも言われています。列をつくり道なき道を登っていきます。

途中、玉井さんが書かれた書付がありました。山の持ち主の屋号や日付を書き記したもので、持ち主の林地の境界などに記されるそうです。

斜面の途中でも玉井さんの話をお聞きします。地面に落ちた木の枝葉で足元はフカフカで、かなりの補水能力です。山に入って地面に立つことで初めて分かることもあります。

200年生の桧の森も見学させて頂きました。手入れのされた山で、程よく陽が入り地面近くには黒モジの木が繁っています。
手入れが滞ると上部の葉が繁り過ぎてしまい、地面に陽が当たらず下草が生えず暗い森になってしまいます。下草が生えないと土が流れ根が浮き出し、木々が弱るだけでなく土砂崩れの原因にもなってしまいます。

午後からは、伐採する木を選ぶ選木体験をしました。グループに分かれて伐る木と残す木にテープを巻き、その理由も述べて玉井さんに採点をしてもらいました。各グループの発表者と玉井さんとのやり取りの中で話題が広がり、いろいろな話をお聞きできてとても面白かったです。

道路近くで時々見られる平地は、戦時中に畑として使うために開墾された土地だそうで、土留めの石積みも見られました。その後に再び林地に戻されて現在は70数年生の木が育っています。

下りてからも山の話。毎回ツアーを企画してくださっている泉谷さんがボードに手書きで図を描いて説明してくれました。

お昼は平地の土場で、地元の料理旅館朝日館のお弁当を頂きました。
今回の参加者は一般の方の他、大工さんや工務店さん、設計事務所の方、ゼネコンの設計者の方、それから大工技能を学んでいる方、学生さんや大学の先生、ランドスケープの専門家の方などバラエティー豊富なメンバーでした。ご参加いただき有難うございました。

夕方、山を下りて桜井の原木市場を見学させて頂きました。ここでは伐採された木を見ていただき、木の育ち方や見方について泉谷さんがクイズも交えながら説明されました。

うず高く積まれた原木。ここでセリにかけられ、製材所から全国に運ばれていきます。
山守の玉井さんは「同じ用途のもので木製と非木製のものがあれば木製のものを使ってください。国産材と輸入材であれば国産のものを」とおっしゃっていました。その言葉が心に残りました。
日ごろの家づくりでは吉野の杉桧を使わせて頂いており、吉野の山は木々の故郷であり母なる山のように感じています。