改修設計中の古民家の小屋裏の様子。

江戸末期の天保年間に建てられた築180余年の民家です。基本構成が六間取りで(増築で九間取り)、小屋裏も長い空間が続いています。棟下柱は全て通し柱で、屋根は登り梁で支えられて小屋裏空間を広く使えるようにしてあります。シンプルかつダイナミックな構成です。
写真は北側半分のつし部分です。棟下部分に仕切り壁があり、南側は室内から箱階段で上がる小屋裏部屋になっています。生活空間の表と裏と小屋裏の使い方が、上手く考えられているなぁと思います。
次の間や座敷側は天井が張られているので小屋裏の床が1メートルほど高くなっています。

奈良界隈の民家では、小屋裏の床は厚み10センチ程度の土が敷かれていますが、こちらはその倍ほどあり、そのうえ左官で仕上げられていました。小屋裏の土間が左官で仕上がっているのは初めて見ました。また竹が土中に仕込まれていてこれも初めてです。目的はわからないのですが(土間の割れ止めや土間の軽量化でしょうか)、ボイドスラブのようです。

垂木と垂木の間の隙間を塞ぐ面戸も左官で塗り固められていました。(一緒に登った工務店の田畑さん発見。)一般的な民家では、藁を細長く丸めたもので塞いでいるのがそのまま見えるケースが多いのですが、裏も丁寧に仕上げられています。

玄関土間の天井がスライドして開くようになっており、ここからハシゴで上がります。重い荷物の上げ下ろしのための装置も健在です。玄関上とミセの上は土は無く、野地板上に藁が敷かれていました。

使われなくなった古建具も数枚保存されていました。今回の改修で再利用出来ればと思います。

虫籠窓内側。通気も確保されていて健全な状態です。