民家の移築再生工事の現場を見学させて頂きました。(奈良県建築士会女性委員会和室部会主催 民家の勉強会)

設計は生駒の西本建築事務所さん、施工は桜井の(株)山本工務店さん。お二方とも建築士会の仲間です。

この建物は地域密着型の老人ホームで、当初より民家の移築再生をすることを基本として計画されていたとのことでした。
解体(移築の為に)することが出来る民家を探すところから始まったそうで、この移築に決まるまでに2軒の古民家を実測調査をされたとのことでした。解体や運搬の費用などの関係でどちらも使えなくなり、再び近くの民家を地域の方にご紹介頂いて無事に計画を進めることが出来たとのことでした。調査時の野帳も拝見し、実測調査の工夫についても教えて頂きました。
スケジュールもある程度決められた中で、移築民家探しから始められることが設計者としてどれほど大変なことだろうと思います。

元の民家は伝統構法で、欅の大黒柱に大きな牛梁が入り、差鴨居もしっかり入っています。四方差しのところもあり、組み上げる大変さの話もお聞きしました。再生工事では基礎を回し在来軸組工法にされています。移築材よりも広い部分は新材で構成されています。

各部材に番付がつけられています。その場その場で判断しなければならないことも多いようですが、施工者の山本棟梁は「このような移築の現場仕事は本当に楽しくてワクワクします。みなさんも是非、移築再生の設計をして下さい」と仰っていました。大工さんや職人さんが楽しみながらやり甲斐を持ってお仕事をして頂けることは、とても理想的だと思います。

民家の移築再生工事は、設計も施工も専門性の高い技術と技能が必要です。本当に素晴らしいお仕事です。
貴重な工事現場を見学させて頂き、お施主さん、設計者、施工者のみなさんからいろいろな話をお聞きすることが出来て、充実した見学会でした。