
3年ほど前になりますが、所属する新建築家技術者集団でアメリカの建築という連続講座が数ヶ月に渡り開催されました。アメリカの建築という題材での講座は非常に珍しいのですが、アメリカ各地にある建築家の仕事や背景となる当時の社会情勢について、この半世紀~を振り返る講座で大変興味深いものでした。中でも、1950年代のニューヨークの再開発に対するジェイン・ジェイコブズの運動の話は強烈な印象が残りました。70年も前の話ですが、現代の日本の都市再開発も同じような問題を抱えています。
ジェイコブズは、都市が多様性を持ち活気づくに為には、年代や状態のことなる様々な建物が混ざり合い、経済的な収益性も多様にすることが大事と言っています。汚いものを取り除けばよいという考えで再開発され、整然と、そして均一に整い過ぎた都市が活気を無くし、やがて廃れていくのをみることも少なくないです。また、
「お金儲けのためだったり、目新しさのためだけに建物を壊してゆく街は、罪を犯してると言える」
とも言っています。はっきりと罪(crime)と断言している内容は、大都市の大きな計画の話だけではなく、我々のような一地方の末端の建築関係者も含むすべての関係者に係ることであるように感じます。
ジェイン・ジェイコブズを主役とした映画「ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命」は2017年に製作されました。1950年当時ダウンタウンに住む主婦ジェイン・ジェイコブズがニューヨーク中心部の高速道路建設と再開発に反対し、大きな権力をもつデベロッパーのロバート・モーゼスと闘う反対運動がドキュメンタリーで描かれています。(製作2017年)
「ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命」予告編
この予告編を見るだけでドキドキするのですが(笑)
本編はamazon primeなどで視聴することが出来ます。(レンタル有料)
『ジェイン・ジェイコブズ:ニューヨーク都市計画革命』本編

VS

建築士の友人が来週からニューヨークに行くとのことで、話をしているうちにこの映画のことを思い出しました。私はニューヨークに行ったことがないのですが一度訪れてみたいです。摩天楼に建つ高層ビルは1930年前後に建設されたものが今も多く使われています。(美しいクライスラービルをはじめ、エンパイアステートビル、リンカーンビル、ワンウォールストリートなどいずれも1930年初頭に建築)また、マンハッタン島に掛かる立派な橋の多くは1800年代後半から1900年代中頃に造られたものがほとんどです。最先端の都市の新旧入れ混ざった様相にニューヨークの魅力を感じます。
同様に、多様性の都市シカゴにも行ってみたいです。
(画像は映画の宣伝広告より)