現在工事を進めているふたりと二匹の家の和室の襖に京唐紙を使うことになり、柄などを選ぶために丸二さんのサンプル帳をお借りしました。前回使ってから少し時間があいており、サンプル帳が新しくなっていました。柄の種類が増えているように思います。
サンプル帳より
右から、光琳大波、こうもり桐、千家中桐置上

細うず、横段、つぼつぼ

この「つぼつぼ」紋様は高欄や欄間、お茶室、風呂先屏風などの透かし模様にもよく使われています。この紋様には大先輩の女性建築士との楽しい思い出があります。
唐紙を選ぶときは、文様(柄)、原紙(鳥の子紙)、摺り色(柄色)のそれぞれについて選びます。サイズはふすま1枚分のサイズが基本ですが、以前に高さ2.2mの戸襖用に摺っていただいたこともあります。(注文してから木版で摺られます。)同じ文様でも、紙の色が違ったり摺り色が違うと、随分と雰囲気が変わります。生成り(卵色)の鳥の子参号紙を使うことが多いのですが、浅葱(上の写真の真ん中の色)を使ったこともあり、これもとてもよかったです。色のある鳥の子紙として浅葱のほかにも濃鼠や白茶、桜色、薄赤香、灰白などがあります。上の写真の千家中桐文様のような白の参号紙もあります。摺り色に雲母(キラ)を使うと、光が当たった時に模様が表れて独特の趣があります。光の具合で表情が変わることを楽しむのは日本的な美の感性のように思います。
唐紙のよいところは、印刷物のような工業製品の正確さがなく、版木で摺られたアナログな感じのところです。多少の不揃いを感じるかもしれません。刺繍に例えるのは少し違うかもしれませんが、ミシンでプログラムされた刺繍と手でひと針ひと針刺す刺繍では表情が違うのと同じような感じがします。紙も同じで手漉き和紙と機械漉き、絨毯も手織りのものと機械織りのもの。ちょっとしたことかもしれませんが、手の仕事から感じられるものが唐紙にはあります。
サンプル帳には110種類の唐紙サンプルが入っていました。表紙は紋様が彫られた版木の写真ですね。見ているだけでぜいたくな気分になります。
