檀ふみさんのエッセイ「父の縁側、私の書斎」
お父様である檀一雄さんとの思い出は、子どもの頃に住んでいた昔の家の記憶とともに蘇るそうです。
増築や改築をしたり家の中で部屋変えをしたり、坂口安吾さんが居候をしていたこともあったそうです。その後だんだんと雨漏りがひどくなり家を建て替えたのですが、建築家の設計に対する不満もたくさん。
さまざまな余裕が良いのか悪いのか、、斜面地を生かして作られた4段の段差のあるスキップフロアは、10年経っても20年経っても慣れなくて、家族の悩み事とのこと。あるとき足を踏み外して捻挫されたそうです。4段の段差がどうもリズムが悪く、3段だったら慣れたかも、とのこと。
子どもの頃の家の思い出の他、掘りごたつと普通のこたつのこと、床の間のこと、土間や縁側のこと、ペルシャ絨毯に目がないこと、海外で暮らすお友達の暮らしと住まいのこと、近所に出来たマンションのこと、別荘とお母様のこと、照明のこと、ペットの猫のこと、庭のこと樹木のこと、、等々、飾らない言葉で檀さんの住まい考が綴られており、とても面白い本でした。

あとがきで、建築家の中村好文さんが文書を寄せられていました。この本は才気溢れる女優さんの気軽なエッセイではなく、生活者視線の優れた「住宅本」として読んでほしいと書かれていました。
昨日は敬老の日と言うこともあり、サ高住に住む母のところへお見舞いに行って来ました。今年90歳になりますが、ベッドで寝ていると思い出すのは昔のことばかりのようです。子どもの頃に住んでいた東京の家のこともよく思い出すというので、檀ふみさんのこの本のことを話しました。
母が11歳まで過ごしたその家には縁側があり、縁側の掃除は子どもの仕事でいつも雑巾掛けをしていたそうです。「その縁側で、お父さんが、」と言うので、将棋か囲碁と続くのかと思ったら、ダンスの練習をしていたとのこと。
縁側の思い出もいろいろだなぁと、可笑しくなりました。