天理の民家改修工事。130数年前の建築当時からお使いの襖の引手を修理して、新調した襖の引手に使いました。
襖紙は京唐紙で、光が当たると木版で擦られた雲母がほんのりと光り、柔らかな表情になります。
三種類の京唐紙と、三種類の引手。
引手は銅製の重みのあるしっかりとしたもので、ツバは玉子型で底は木瓜(もっこ)型。
紙は浅葱色の紙に鳳凰丸紋様。浅葱の紙も美しく、華やかな襖になりました。

こちらの引手は錫か何かの柔らかな金属で、透かしのツバに底は花紋入りです。菊座が付いています。
紙は生成りの鳥の子参号紙に正倉院文様です。

この引手も薄く繊細な作りで、ツバは植物の透かし入り、底は波に紅葉。龍田川ですね。菊座も付いています。
唐紙は先に同じく生成りの鳥の子参号紙、紋様は鳳凰蝶唐草。華やかな紋様です。
唐紙は、紙の地色と紋様と雲母の擦り色を決めて注文します。

襖は修理や張り替えの出来る建具ですか、建物の歪みなどで負荷がかかり骨にも痛みもありましたので、新調することになりました。
引手は丁寧に取り外して頂き、痛んでいた表面を仏具屋さんで修復して頂きました。

修理をすると新品のようになりました。古い侘びた引手も趣がありますが、襖も新調しますので良い具合になりました。

座敷周りに襖が入り、落ち着いた空間になりました。襖や障子は柔らかな紙の間仕切りで、閉じると紙の壁になります。

現代の住まいでは襖は数少なくなって来ていますが、柔らかな間仕切りの良さを感じます。
