師走の選挙も終わりました。税の徴収や使われ方は政治に対する関心事のひとつです。
歴史的にも家にまつわる課税の話はいろいろあります。有名なところでは間口税と言うものがあり、道に面する家の間口の長さに比例して課税された時代がありました。京都の町家に代表するような間口が狭く奥行きが長い”うなぎの寝床”の地割りは、節税の工夫として発生したもので、今も情緒ある景観として軒を連ねる街並みが多くの地域で残っています。
その他にも、玄関が広いと課税、床の間をつくると課税(庶民は床の間を作ることさえ禁止されている時期もありました)それから、壁を白くすると課税!、四角い柱を使うと一本あたりいくらと言う具合で課税!(今では考えられません)など、贅沢に繋がるようなことは課税の対象になっていました。
ちなみに、柱は丸太や面皮付きだと無税だそうで、茶室(数寄屋)は素材の形が自然のままであったり土壁同様で、お金をかけた普請でも無税だったようです。玄関もありませんしね。
また、天井を張ることも贅沢とされ、禁止されたり課税の対象になっていた時代がありました。
天井はそもそも屋根裏からの土やホコリが落ちてくるのを防ぐ役割がありますが(ホコリを防ぐのが贅沢なのか)、昔の民家を見ていると座敷以外の部分には天井が張られずに構造がそのまま見えているものが多くあります。
天井が無いからといって簡素かと言うとそうでも無く、とても立派な欅や松の梁が象徴的に掛けられており、当時は磨き込んで大事にしていたそうです。
この辺りの民家では、竈さん手前の土間に煙返しと呼ばれる梁が必要以上に大きな材で入っており、見栄の意もあったとのことです。
この大きな梁はかなり低い位置まで入っているので、改修の時に対処に悩むこともしばしば。
質素倹約が強いられ、家に対する禁止事項や課税が多くあった時代でも、大衆は税の対象にはならない範囲で贅沢をする楽しみがあったようです。
うなぎの寝床の区画割りも含め、課税対策の工夫がひとつのかたちとして発展し、伝統として受け継がれていることがたくさんありそうです。
天井もいろいろ。
角材の竿縁は課税され、竹や丸太だと非課税。
