少し前のことになりますが、外構の計画の中で瓦の乗った門の設計をさせていただきました。
門の設計は初めてで、参考資料として古い本のページを久し振りに開きました。

学校で必須図書として買わされた日本建築(上巻)(下巻)の下巻です。(昭和29年第1刷発行)
日に焼けたカバーを外すと新品同様。
この本は日本建築のバイブルのような本だそうで、
”木造はこの本を読んで勉強しておきなさい”
と先生に言われましたが、当時はほとんど理解できずに終わりました。
いま改めて見ると、バイブルと言われる所以がよくわかります。
ずっと変わらず続いて来た日本建築の工法、材料、意匠の基本中の基本。
上巻では一般住宅の地ならしからはじまる全工程について、下巻では、蔵、社寺や鳥居、数寄屋、茶室、門、土塀、庭のつくり方まで網羅されています。
現代の一般的な方法とは随分違うだけに、なかなか目にしない内容も。
例えば住宅の給水設備の項目では、1.水道配管の次の項目が2.井戸。
「井戸には、浅井戸、深井戸、掘り抜き井戸、埋め込み井戸などがあり、郊外地も市街地でも井戸を有する住宅は便利である。
夏は冷水、冬は温水を得られ、また防火などの非常の場合や庭の散水に自由に井戸水が利用せられる。」
と説明があり、井戸の種類と構造、衛生的な井戸の作り方などが作り手のための解説として図付きで説明されています。
時代の違いを感じるものの、井戸が使えると良いなぁと改めて思いました。
門の事も種類別に分かりやすく書いてあり大変参考になりました。
この本を見ていると、少し前の時代までは普通の木造住宅の仕事でも
手のかかる普請を当たり前にしていたことを感じます。